第4回 悪質プレイヤーに対しての公平とは……

 

 筆者が、もっとも難しいと考えている事の一つです。

 すべてのプレイヤーに対しては、等しく公平に接したほうがいいのか、それとも不公平に接したほうがいいのか。

 悪平等、という言葉もありますしね。


   「じゃあ、依頼主に『武装解除させればいいんだな?』って確認をとります」

B   「『殺す必要がないならないでかまわないが……』」

   「『しかし、そっちのほうが難しいぞ』」

ルーラー「オーケー、そうすると相手は……」

   「ルーラー、俺、そいつに《死の舞踏》使うわ」

ルーラー「はぁ?」

   「だって、このキャラクター、快楽殺人症候群だから……」

 

 微笑ましいルーラーへの嫌がらせですね。筆者も、3回ほどこうした嫌がらせにあった記憶があります。まぁ、実際はこんなにあけすけなものではありませんが(キャラクター名にトウフ・カスガイだの、おかしな名前つけて自殺的な行為を行ったりとか、シリアスなシナリオをぶっ壊してギャグにしようとしたりとか……)。

 あなたなら、このDというプレイヤーに対して、どういう態度をとりますか?

 状況は以下の通りです。

 

1・プレイヤーABCは、自分からはなにも行動しない。

2・仕事の依頼主が、ゲストではあるけど、身を守る神業を持っていなくて、護衛もいなかった。

3・Dは、この先ずっと、シナリオを破綻させる行動をとりつづけるタイプ。

4・ただし、Dを自分のテーブルから追い出す事はできない。

 

 とリうる選択肢は、

 

1・行動を認め、依頼主を殺させる。ただし、キャスト達は賞金首となる。

2・行動を認めない。

3・他のプレイヤー達に、Dの行動の結果、何が起こるのか説明した上でDの行動を認めるか確認し、全員が認めたとき、初めて認める。その後は、1と同様。

 

 というところでしょうか。細かくあげる事はできますが、ここではこの選択肢でとどめておきましょう。

 筆者ならば、3を選択します。

 他のプレイヤーに対して、念のため行動の確認を取り、妨害するつもりがない事を確認した上で、行動を認めるのです。

 これには、行動を確認しておく事により、この後D以外のキャストが不利な状況になって文句をいってきたとしても、ルーラーに責任の所在をおかないようにするという理由があります。

 いってみれば、自衛手段を講じておくわけです。

 もっとも、ここから先は予定していたシナリオとはまったく異なる状況になるため、完全アドリブになるので、自信が無ければとれない行動ではあります。

 一応書いておきますが、この他の選択肢のどれもが正解であり、失敗でもありえます。

 筆者が選択した行動は、決断をプレイヤー任せにしてしまっているに過ぎません。

 ある意味、一番簡単な逃げですね。

 1は、もう、完全な悪平等ですね。

 ですが、この後キャスト達が命を狙われるのは、Dの行動を止めないほかのプレイヤーたちに対しての因果応報でもあるわけで、一概に悪い行動である、などと断言できるわけではありません。

 2にしても同様の事が言えます。

 一見、他のプレイヤーに対して配慮している選択かも知れませんが、そのおかげでDは、やりたいことをできなくなってしまいます。

 どれが正解で、どれが間違い、と判断できる内容ではありません。

 だからこそ、冒頭で述べた通り、“もっとも難しいと考えている事の一つ”なのです。

 これに関しては、もう、自分の主義を押し通す以外にないのでは、と考えるともしばしばです。


 今回は、ちょっと話がわき道にそれすぎたり、抽象的な感じになってしまいました。

 すみません。

 

いやなプレイヤー……

ぽんず「TNRは、自分から積極的にほかの人のシーンに入り込み、経験値を稼ぐというルールですからね」

くぅがぁ「他人のシーンに口出しして自分の有利な方向に誘導する人もいれば、キレて暴走する人もいます。そして困ったことにやたらと攻撃的なひとも……」

***   ***   *** 

ぽんず「ルーラーに対してのプレイヤーの態度も、与える情報に差が出る要因の一つでしょう。態度の悪いプレイヤーにまで、ルーラーは親切な態度を取る必要はない、と俺は考えます」

くうがぁ「このへんは セオリー通りですね。ルーラーが未熟だと、『口のうまい奴がうまくごまかす』とか『自己主張の強い奴がごり押しする』とかありますけど」

***   ***   ***

くぅがぁ「どちらかというと、「不公平」は、ちょっと違った形で起こります。情報の与え方や、場面の展開など、プレイヤーごとの扱いに差が出ることがあります。情報の与え方や、場面の展開など、プレイヤーごとの扱いに差が出ることがあります。

 不利なキャストに情けをかける、シナリオの都合、などで意図的にそうする場合もありますが(いいのか?)。最初の導入でキャストの置かれる状況で、その後の展開が極端に不利になったり、ルーラーが、情報不足のプレイヤーの行動宣言が場違いと判断し、さらに不利な状況に追い込んだり(これは悪循環)するケースが多いです」

ぽんず「そこまで行くと、公平すぎて発生する不公平がでてくるので、しかたないんじゃないかと思います。ここまで努力しているのに、どうしてこいつと俺の得る情報に違いがないんだ? 達成値って俺のほうが上だし、俺のほうが……という、問題です。

くぅがぁ「やっぱし、仕方ないのか……」 

 自分の意見を述べさせていただくなら、第1回でも述べた通りですが、

 コンベンションは参加者同士が、紳士的に楽しみ会う社交の場である

 と、筆者は考えています。 ですから、

 

『ルーラーを困らせたい』という幼稚な欲求のプレイヤー

↑・仲間内でやる分には止めません。

『ルーラーの技量を確かめよう』という試験官のような態度のプレイヤー

↑・普通にそのルーラーのもとでプレイすればわかることではないでしょうか。本当に上手い人は、普通にプレイしているだけでも、魂を揺さぶられるほどの衝撃を与えてくれます。逆もまた然り、です。

『このキャラクターはこういう性格だからしょうがない』という他人をまったく無視した意見を述べるプレイヤー

↑・この意見に対しては、問題ないどころか賛同したいぐらいですが、こうしたプレイヤーの大部分は、他人の迷惑を考えない&キャラクター自慢がしたいだけ、という、自我の肥大した人間が多いというのが、頭の痛いところです。

『ルーラーに、いい経験をさせてあげよう』という、大きなお世話なプレイヤー

↑・普通にルーラーやってるだけで、十分いい経験ですから、普通にプレイしてください。そんな行動をとらなくても、こっちは予想できないアクシデントがいつも多発しているので、その対応だけでいい経験になっています。

他のプレイヤーをないがしろにするプレイヤー

↑・あなた一人が遊びにきたわけではないですから、少しぐらい周りのことを考えてもらえたほうが嬉しいのですけど。いつか痛い目、見ますよ?

 

 といった、社交性を知らないようなこれらのプレイヤーに対してまで、真面目に接する必要はない、と思うのです。

 そう言う意味では、筆者は不公平なのかもしれません。

 

 

 

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